雲上人であるユウキの一人ごと
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ベラスケスの誠実。(宝石のための世界史・1)
   
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 「カモシカの角で、紫水晶の角柱を打つと、ヒューオンと音を立てて砕けるらしい。」

 これは、平賀源内の文献にあった「目録」である。
 そんな言葉に魅かれて、思わず気になった一品。

 アメシスト(紫水晶)。
 硬度:7 組成:SiО2 屈折率:1.54 比重:2.6 主産地:ブラジル、ウルグアイ、南アフリカ等。
 
 キリスト教世界では、人生の悪酔いを避けたい聖職者と結びつけ、アメシストとの関わりを一段と強め「司教の石」として高僧の指輪などに象徴されるようになったとか。

 さまざまなアメシストの物語が、伝説として流行した16〜17世紀にかけて、それは聖なる石として輝きをより増していった。

 イスパニアの時の王、フェリペ4世に仕える宮廷画家、ベラスケスもこの宝石神話を愛し、アメシストの気品を愛しむ一人であった。彼は、この紫の精神のままに、他国の王宮からの甘い誘いにも迷うことなく、自分自身の才能に酔うことも無かった。
 
 その真摯な態度と、卓越した芸術センスが、王の心を独占し1652年には、侍従長に昇進した。

 ベラスケスは、晩年・・王のために豊穣をモチーフにしたデザインを考案する。それは、アメシストで出来た一粒のブドウの実が、金とエメラルドで飾られた冠をかぶっているものだった。
 王は、さっそく王宮の宝石職人につくらせたが、それが仕上がったのはベラスケスがこの世を去って数か月のことだった。(その1661年に、彼の生まれ変わりのようにして、カルロス2世が誕生する。)

 その4年後。
 フェリペ王は、この宝石を幼いカルロス2世に譲ると、自分もまたベラスケスの後を追うかのように崩御したのである。

 このアメシストは、さらに年月を経て、神聖ローマ皇帝レオポルド1世に贈られた。
 現在、この物語のアメシストは、ウイーンの美術史美術館に所蔵されている。


 「 かけがえのない、あなたへ。

 今日びの世間の雑言に、まどわされることのないように、アメシストに祈りを込めて、この伝説を捧げます。」

 2011年12月12日  

 「遊鬼老ヶ伝」書記役Mが、記す。


 
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